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2008年08月30日
医の倫理(2)「本当の医療」とは何か
医学の父・ヒポクラテスの教えの中に『益を与えよ。さもなくば無害であれ。』という警句がある。
確かに医療の世界は日進月歩の勢いで進歩しているが、医師が的確な判断をすることが病気を治すための重要な要素であることには変わりはない。
また「患者一人ひとりに特有の性質があることを認識し、病気と闘うことが医師の勤めである。それがお互いの信頼関係が保たれ、患者自身が回復しようとする力を最大限に引き出すことにつながる。
本当に良い医療とは、医療側と患者側との周囲の環境によって始めて成立するものである」とヒポクラテスが全集に記述している。
しかし、日本の医療は明治時代に西洋医学(近代医学)が入ってきてそのときの医療が産業革命で技術である科学を行政に取り入れたため、それが正当であり優越性であるとしたことによる。
それによって医学は科学的根拠が重要視され、知識のある医師が上に立ち、患者と医師との隔たりを広げていった。それが今日まで続き、現在の医師と患者の関係となってしまった。
医師側は強い絆で結ばれ、医療行為、特に重要な検査や重篤な病気について患者に必ず同意書を取り、患者側の意見を求めさせないようにした。その積み重ねが今日の医療過誤につながったように思えてならない。
私も医療者の端くれとして患者一人ひとりに対し、真剣に対応し、治療を行っている。
今回のこの事件は一個人が起こしたものであり、医師会及び国がすぐ地域の産科医療に重大な影響を与えた一方、原告側に産科空白地帯を作るので目を瞑ってくれというのは医療の倫理から言ってもおかしいのではないだろうか。
医療には哲学というものがある。医師には人格と品位が必要である。それがあって始めて患者に信頼されるのである。これらのことをしっかり考え、国や医師会が良識ある判断をして欲しいと願うばかりである。
参考文献:ヒポクラテスが教える癒す力50 かんき出版 医療の限界 新潮社刊 より
健康コラム
投稿者 drnakashima : 2008年08月30日 08:00
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